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今回の患車さんは
日産ローレル
1975年式 2ドア ハードトップ 2800SGL
とっても希少な車両です |
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エンジンオーバーホールが目的で入庫しました
パワーがない、燃費が悪い、冷却水が減るなどの症状
まずは、エンジン診断から・・・ |
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コンプレッション(圧縮測定)の結果がバラバラ
エンジン内部に不調の原因があるはずです
まずは、分解ですね |
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6連スロットルのキャブレター 今では久しい部品です
デロルト製で、補修部品はまずありません(苦) |
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エキゾーストマニホールド(通称:たこ足)を外した様子
現代のエンジンには少ない吸排気構造のOHC型
スカイラインをトップの座に君臨させた L型エンジンである |
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ミッションとフライホイールを外した様子 |
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あれれ?シフトレバーがない!?
そうなんです オートマチック車なのです |
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エンジンをおろした後のエンジンルーム |
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おろしたエンジン
汚れがひどいですね |
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さすがOHC ひょろ長くてスマートです |
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ムムムッ! 何だかイヤな予感がします |
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パカッ!
カムカーバー(ロッカーアームカバーとも言います)
を外しました
カムドライブはチェーンです 丈夫で長持ち 重いけどねw |
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まずは カムシャフトプーリーを外します |
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オイルパンを外した様子 |
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シリンダーヘッドを外しました
ヘッドの状態でエンジンの状態が分かる!
って言うくらいなので、燃焼室を観てみると・・・
ま、各気筒がバラバラですね |
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燃焼状態の善し悪しはピストンにも現れています |
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あ〜らら シリンダーに深い傷が付いてました
ボーリングを余儀なくされました |
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長さの違う ヘッドボルト?
いえいえ、短くなってるんですよ
折れて・・・ |
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分解時に折れたのか!?
いえいえ、シリンダーブロックに残ったボルトの表面が
すれてなめらかになっていたので元々折れてました
外観でエンジンが汚れていたのは、ここからオイルなどが
もれていたのが原因でした |
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冷却水が減ってしまう原因はココ
ガスケットに亀裂が入っていました |
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さぁ、作業を続けますよ
フロントカバーを外し、細かい部品を取ります |
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オイルポンプを始め、タイミングチェーンや、テンショナーを
外した様子 |
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すっきりした感じですね |
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古〜い エンジンですから 歪みも測定しましょう |
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シリンダー側面に付いた 縦キズ 致命傷です |
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これから、ピストンやクランクシャフトを外します |
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外した ピストンとコネクティングロッド |
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クランクシャフトを外しました〜〜 重い・・・ |
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外されたクランクシャフト
でも、また元に戻します ? |
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クランクシャフトの歪みを測定しています(なるほど!) |
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次は、シリンダーヘッドの分解です |
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リテーナー、コッター、ロッカーアームなど
便利なストッカーに並べました |
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バルブを外した シリンダーヘッド |
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色々なバルブが陳列しているように見えますが
INとEXの2種類しか有りません
それだけ燃焼状態に差が有ったんですね |
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加工が済んだ シリンダーヘッド
ヘッド面研磨、燃焼室修正、バルブシートカットなど |
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研磨した後はさすがにきれいですね〜 |
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こちらも、加工後のシリンダーブロック |
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続いて、エンジン成型時に出来たバリを削除します |
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マスキングをして、純正色に塗装します |
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ピストンは亀有エンジンワークス社製です
ピストンやコネクティングロッドの重量を合わせてあります |
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修正が済んだクランクシャフトを組み込みました |
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ピストンを組み込んだ様子
クランクシャフトを回してみると・・・軽いです
フリクションロスはかなり低いです |
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さて、次はポート加工です
ガスケットのサイズに合わせて削ります |
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きれいになりました〜(^。^) |
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バルブを組み付けた様子 |
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タイミングチェーンやウォーターポンプ、オイルポンプを
組み付けた様子 |
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シリンダーヘッドガスケットはメタルタイプを使用しました |
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シリンダーヘッド、カムシャフトを取り付けた様子 |
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シックネスゲージでクリアランスを測定し調整します |
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オイルパンやステー、クランクプーリーなどの塗装 |
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オイルパンを取り付けた様子 |
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ステーやクランクプーリーを取り付けました |
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さ、いよいよ車両に搭載します |
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L型エンジン用のフロントカバーを用意して内部加工します |
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耐久性のある FS5W71C型ミッションを組み込みます |
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そして、完成! |
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クラッチペダルも取り付けて、準備完了! |
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フライホイールやクラッチディスクを取り付け
いざ、ドッキング! パコッ!!
プロペラシャフトも加工してサイズを合わせます |
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マニホールドを取り付けます |
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キャブレターを取り付けます |
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プラグコードを取り付けます |
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キュキュキュキュキュ・・・
ブルル〜〜ン エンジンが掛かりました〜
各部を調整し、キャブレターのセッティングをして完了です
このデロルト製キャブレター、持ち込まれたときは
アウターベンチュリーのサイズがバラバラでしたが
旋盤などの加工や、ジェット類も交換しました |
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オーナー様は大変ご満足で
「気持ちよくシフトチェンジしていくと 気づいたら
スピードオーバーしてるんだよね(笑)」 と、
また、「現代のコンピュータエンジンに負けないくらい
燃費もレスポンスも大変良いエンジンだよ」
これからも長く大切に乗っていただけそうです |
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